ソフトバンクホークスは4月9日のオリックス・バファローズ戦(京セラドーム)で劇的な逆転勝利を収めた。1点ビハインドの9回表、4番打者・山川穂高内野手(33)が放った逆転の2号3ランが決勝打となり、10-9で試合を締めくくった。
「『僕が決めよう』と思ってました」
お立ち台で語ったこの言葉こそ、まさに主砲の覚悟。一死一・二塁のピンチで迎えた打席で、山川は平野佳寿投手の高めに浮いたフォークボールを見逃さず、左翼スタンドへ叩き込んだ。打球は低い弾道ながら確実にフェンスを越え、チームは今季初となる3連勝を達成した。
現在の山川には誰も止められない。6日の西武戦(みずほペイペイドーム)での今季1号を含む直近3試合では、打率.667(6打数4安打)、2本塁打、9打点という驚異的な数字を記録している。「この3試合ぐらいはいい形でできている」と本人も手応えを感じている様子だ。
昨シーズンとは明らかな違いを見せている。2023年は開幕戦で本塁打を放ったもののその後11試合沈黙していたが、今年は「質」にもこだわっているという。「内角の球に少し詰まって押し込んだというか、そういう打ち方ができた本塁打はいい」と語るように、"納得できる一発"への意識が見て取れる。
故障者が続く中での主砲として責任
チーム状況も山川にとって追い風となっている。近藤健介外野手や柳田悠岐外野手ら主力選手が相次いで離脱する中、「抜けちゃったらヤバいんでね」と笑いながらも重圧を感じている様子。「ケガしないでいこうと思ってますよ...でも出ながら治さないといけない部分もいっぱいあるので難しいですよ、プロ野球選手って」と複雑な胸中を明かした。
5割復帰へ向けて加速するホークス
今季早々に2度の3連敗を喫していたソフトバンクだが、この勝利により4勝6敗と徐々に盛り返しつつある。主力不在の中でも確実に結果を残す山川穂高──その活躍なしには鷹軍団復活劇も描けない。