「結婚しなくてもいい時代」と言われる現代、婚活を続ける中で、「結婚しなくてもいいかもしれない」と思い始める人が増えています。今回は、そんな「結婚しない選択」をした男性が、どのような人生を歩んでいるのかを追ってみました。

婚活を始めたものの…結婚に迷いが生まれた理由

コウタロウさん（仮名・55歳）は、一度も結婚したことがなく、恋愛経験も少ない男性。実家でお母さんと一緒に暮らしていました。婚活を始めた理由は、「親の介護を一緒にしてくれる人がいい」というシンプルなものでした。しかし、婚活を進めるうちに、「価値観が合わない」「妥協したくない」など、次々と条件が増えていき、なかなか理想の相手に出会うことはありませんでした。

そして、ついにコウタロウさんは「結婚しなくてもいいのでは？」と思い至り、婚活を辞めることを決意しました。

結婚しないと決めた後に直面した孤独

その後、60歳になったコウタロウさんから連絡がありました。母親が亡くなり、「家族と呼べる人が誰もいなくなった」と語った彼の言葉には、深い孤独感がにじんでいました。結婚しないという選択が、どれほど寂しい結果を招くのか、その深刻さを痛感した瞬間でした。

結婚しない選択をした男性に待ち受ける3つの苦難

結婚しない選択をした男性には、次の3つの苦難が待っています。

1. 自由の代償としての孤独 結婚しないことで得られる自由。しかし、その自由には大きな孤独が伴います。結婚してパートナーと共に歩む人生とは異なり、独りで過ごす日々が続くことに耐えられるかは、自分次第です。病気や困難な状況で、誰かと支え合いたいという気持ちが強くなる瞬間が訪れることは避けられません。
2. 経済的な安定と不安定 60歳までは元気で働けるかもしれませんが、年齢を重ねるごとに体力や知力に不安が生じ、突発的な支出や老後の資金に対する不安が大きくなります。結婚していない場合、自分だけでその不安を乗り越えなければならない現実があります。
3. 冷ややかな社会からの視線 現代では結婚しない選択が尊重される時代だと思われがちですが、実際には50歳を過ぎると周りの視線が冷たく感じられることが多いです。「結婚しないと決めたんだね」と言われることはあっても、その背後には「何か事情があるのでは？」という疑念の目が存在します。この見えないプレッシャーが、思いのほか大きな重荷となります。

最後に

結婚を選ばないという選択は自由であり、自己決定権を持つ素晴らしいものです。しかし、その選択には孤独や経済的な不安、社会的な視線といった現実的な問題がついて回ります。結婚しないことが必ずしも悪い選択ではありませんが、これからどうしていきたいのかを考えるきっかけになればと思います。どの道を選ぶにせよ、自分の価値観に基づいて決断することが大切です。